Blogizumiブログ
- 2019/08/19
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パリで製菓道具を買いに行く
Bonjour !
こちらはパリの製菓道具専門店MORA(モラ)。パリでシェフ(パティシエ・ブーランジェ)のアテンドをさせて頂いていた頃、道具を買いに訪れることが多かったお店です。ここは、いつも賑わっている人気店。
フェランディ製菓専門学校へ通っていた頃は、自分用に製菓道具を探しに来ることもありました。
MORAにある私のお気に入りは、商品以外にもう一つ!それは、
とても忙しい店内に響く元気な(私の中では名物⁈と呼びたい)マダム。
彼女が大きな声を張り上げながら店内のスタッフに指示を出してテキパキ仕事をこなす様子が見られます。私は、この緊張感が大好き♡。だから、彼女に会うために立ち寄ることもしばしば。
「私もシッカリやらねば!」という気持ちになって元気がもらえます。
この辺りは道具専門店が軒を連ねているエリア。
料理やお菓子つくり、道具好きには楽しくてたまらない通りです。
その中でも製菓器具の品揃えはきっとMORA(モラ)が一番でしょう。5月の日曜日、ビスケット型を買いたくて立ち寄りました。
MORA(モラ)と同じ通りですが少し先の角地にあるのが上の写真のお店 LA BOVIDA(ラ・ヴォヴィダ)。ここでは料理関係のものが豊富。ワインの栓止めなどはここで買えます。
可愛いお金の受け皿。
愛嬌のあるブタさんが気になったので、撮影させて頂きました。そして、この日は、
LA BOVIDAの前の大通り渡った先にあるSIMON(シモン)へ
SIMON(シモン)へ向かうときに左側に見えるのがこちらのお店。今は洋服の店になっていますが、昔は食器やカトラリーを売っていた大きな問屋でした。名残として看板がそのままDEPOT CERAMIQUEと書いてあります。
実は、以前あったお店は、個人的に思い出のある店でした。無くなってしまって寂しいな。
私がパリに来たのは99年。結婚前の親友が新居で使う食器を選びたいとパリへやってきました。彼女は神戸学生時代からの大親友。当時は私よりもフランスに詳しくて、料理もお菓子つくりも上手な彼女とそのお母様から、私は沢山の刺激を受けていました。
当時からパリにも詳しかった彼女が行きたいお店としてリクエストしたところがココでした。そして店内に所狭しと並ぶナイフやフォークの中から随分と時間をかけて1シリーズ選びました。
「決めた!izumi これにする!」
やっと決まったね~と安堵しながらレジへ行くと「1セット=12本」販売しかできないと言われてションボリ。
「izumi…..半分どう?」「え?いくらするの?・・・」…かなり高価。「ええ?」
お嫁に行く予定がない上に、出費ばかりの留学生活の序盤。どうにも負担で悩んだけれど「親友へのお祝い」として(一応)快諾。ということで、
「彼女とお揃いのカトラリー」が私にとってのパリ最初の大きな買物になりました。
この時に買ったカトラリーは何年も寝かして日本へ持ち帰ってきています。今となっては思い出に残る買物をした店が無くなって残念。唯一こちらの看板だけが思い出を残してくれています。懐かしい~。
そして、緑の店構えは SIMON(シモン)
この日、私はレザベイユ南青山で使う食器を買いたくて訪れていました。店内を色々と見ていると、SIMONの服をきた男性が私に
「僕、君のこと覚えているよ。」「MORA(モラ)で長年働いていたからさ」と声をかけてくれました。大柄なムッシュー。
「あ~っ!懐かしい~」「覚えていてくれてありがとう~MERCI!」
月日が経って、ムッシューはSIMONの偉いポジションになっていました。MORA(モラ)で働いていた当時のことやMORA(モラ)の元気なマダムの話も弾んで懐かしい再会でした。
ここ数年、日本にいる時間が長くなると「ほんとにパリに住んでいたのかな」なんて思ってしまうことも実はあります。やっぱり私は日本人。それでも、
パリに行くと皆はいつもと変わらない様子で私を受け入れてくれます。そう感じられるのは、マダムや友人だけではなく、見慣れた場所や街やカフェなどが当時と変わらないからなのでしょう。
この日、私はムッシューのお陰で、私の居場所がパリに残っているように思えて、特別に幸せな気持ちになれました。帰りには再会記念の撮影も。
そして、今回の目的だった「アイス用カップ」「ワイン用のグラス」「カヌレ銅型」などをレザベイユ南青山用に購入させて頂きました。SIMON(シモン)には食器が豊富。
いずれも歴史のある老舗。機会があれば、ぜひ、皆さまも訪れてみてください。
A bientôt !