Blogizumiブログ
- 2023/05/29
- 食べもの
- コラム
おいしいバターとフランスでの暮らし(前編)
Bonjour !
今回は、マダムとのパリ暮らしの中から「おいしいバターとフランスでの暮らし」のおはなしです。
※コチラは「マダムと暮らしたフランスでの日々」みんなの暮らしオンライン連載掲載(2019/10~2021/03)が終了したので再編集をして投稿しています。お愉しみ頂けると幸いです。
「フランスのバターは感動するほど美味しいなぁ!」食べるたびにしみじみ感じるバターの美味しさ。今回は、フランスの素敵なマダムとのパリ暮らしの中からのエピソードです。
日本人の感覚でいうと、フランス人にとってのバターは「しょうゆと同じくらい、欠かせないもの」といえるでしょう。実は、少し前に、店舗開催をしている勉強会「 Table d'hote ターブルドット」のテーマに「フランスのバター」を取り上げたので、先にコチラを公開させて頂くことにしました。
さて、さっそく マルシェでのバター事情 からご紹介。
こちらは、パリ市内の朝市の様子。野菜、果物、魚、肉と様々な食材が並ぶマルシェで、フランスのおいしい乳製品がそろうFromagerie(フロマージュリー)は、立ち寄らずにはいられない一角。
牛乳、ヨーグルト、バターなど豊富な乳製品が手に入ります。
○こちらのブログも良かったらどうぞ → フランスの牛乳「Lait 」のこと
量り売りの習慣が根付いているフランスは、バターだって量り売り!
こんなに大きなバターの塊、日本では見たことがなかった!
マルシェは、迫力ある陳列を見ているだけでも楽しくなってきます。
最初から紙に包まれているものも用意されていますが、朝市で買い物するなら「これくらい?」「ん~もうちょっと大きめで!」みたいに、ナイフの位置を誘導するやりとりも楽しみのひとつ。
そして、目の前で薄紙にクルクルっと包んで手渡ししてもらえると、作り手との直接的な繋がりが感じられて嬉しくなります。
味わいながら、お姉さんの顔を思い浮かべたり、次に買い物するときに「バターおいしかったよ」と伝えたくなったりして、いろんな楽しみが増えるのもマルシェの魅力です。さて、話をバターに戻しまして・・・
有塩・無塩だけじゃないフランスバターの種類
このようなにバターがずらりと並んでいます。
ひとつのメーカーでも、色違いのパッケージが2~3種類。
赤・青・緑で文字が色分けされていることが多くて、それぞれバターのタイプ違いを表しています。
塩分の違い
・無塩 「Deux(ドゥー)」
・有塩 「Demi-salé(ドゥミ・サレ)」または「Demi-sel(ドゥミ・セル)」:塩分0.5~3%のもの
原乳の違い
・搾乳して72時間以内に加工されたもの 「Beurre cru(ブール・クリュ)」または「Beurre de crème crue(ブール・ドゥ・クレーム・クリュ)」
・殺菌していないもの 「cru(クリュ)」
マダムの最近のお気に入りは、
「Beurre Cru(ブール・クリュ)」。無殺菌のミルクで作られているタイプで、日持ちはしませんが、原乳の味がとっても豊かです。
また、ご覧の通りフランスバターは基本的に紙包みのみ。日本のように箱には入っていません。
多少の形崩れを気にしない生活でみんな育っているからこそできるかもしれませんね。
フランスで人気なのは無塩? 有塩?
フランスで一番人気のあるバターは、無塩タイプの「Deux(ドゥー)」。
あちらこちらのマルシェやチーズ専門店で「人気なのは、有塩と無塩ではどちらのバター?」と訊ねました。
私がパリで訊いた限りでは「そりゃDeuxよ!」と当然のような返事ばかり。やっぱりマダムが教えてくれたことと同じ答えだなと思わさせられながら購入していました。
一方で、これがノルマンディーやブルターニュ地方のほうでは、有塩タイプの「Demi-sel(ドゥミ・セル)」を好む人が多くなるとも聞いています。地域によって違いがあるようです。そして、その違いは特産品(食べ物)との食べ合わせにも関係しているようです。 ~ 続きは後編へ ~