Blogizumiブログ
- 2022/09/12
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本場フランスのパン Baguetteバゲットのこと
Bonjour !
今回は、マダムとのパリ暮らしの中から「本場フランスのバゲット」のおはなしです。
※コチラは「マダムと暮らしたフランスでの日々」みんなの暮らしオンライン連載掲載(2019/10~2021/03)が終了しましたので再編集の上に投稿しています。お愉しみ頂けると幸い。
フランス人にとっての“バゲット”
ここでは「baguette(バゲット)」について、プロから教わったことも交えてご紹介したいと思います。
フランス人にとって“baguette”は、いったいどんなパンなのでしょう。家庭でバゲットを食べる時は、お皿の上ではなく、ダイレクトに食卓テーブルの上にパンを置くことが少なくありません。知らないと躊躇してしまうかも知れませんが、家庭スタイルでは普通のこと。
Baguetteとは、
Baguetteとは、この長い棒状のパンのこと。だいたい長さは65㎝、重さは250gが基準。
原材料は、小麦粉と塩、水、イーストだけ。
卵や油分を含んでいないから、テーブルの上にそのまま置いても大丈夫!
主食ですから、キッチンには常にBaguetteがあります。
マダムの家では、グリルパン(トースター)の横にパンかごがあって、朝食のときも、夕食の時も、その籠からBaguetteをいただきます。
朝は、
長さ10cm程に切って、さらに横からナイフを入れて縦にカットすることが多いです。こうして、タルティーヌにしていただきます。
夕食のときは、
その日の人数分を適当な厚さにカットして籠に用意しておきます。足りなくなったら、追加してカット。
ちなみに、フランス語で「baguette」は「細い棒」という意味。なので、たとえばドラムをたたくスティックも同じ単語「baguette」を使うんです。日本のお箸なら、2本なので複数形の「des baguettes」となります。
むき出しのまま持ち帰ることも
フランスでは「Baguetteはいつでもどこにでもある身近なもの」。一方、日本では、フランスに比べると少し「嗜好品」に近いものでしょう。
パンの在り方や価値が違うから、その扱いも自ずと違っているようです。例えば、
パリでは、ブーランジェリーでbaguetteを買うとクルクルと紙で包むだけで渡されますし、むき出しのままで持ち歩く姿もよく見かけます。紙袋から飛び出ていても、まったく気にしません。
バゲットかじりながら歩く人って本当にいるの?
空腹時にbaguetteを買ってバスに乗ったことがありましたが、手に伝ってくる温かさとパンから漂うあの香りはたまりません……。
日本ではバスの中でパンを食べるなんてしなかったのに、パリではつい誘惑に負けてしまって…私もコッソリとBaguetteをかじったことがあります(マナーとしては悪いから自慢できることではないけどね)。
ここで「私だけじゃなく」と書きたいわけではありませんが、香りにひかれてBaguetteをかじって歩くパリジャンを見かけることは良くあります。そうしているパリジャンに尋ねると「行儀がいいとは思っていないよ。ただ焼き立てがあまりにいい香りだから」とこたえます。どうやらBaguetteの誘惑に負けてしまうらしい~。
パンを買うのは「いつもの店」「馴染みの店」
調べてみたところ、フランスでは1日に1人あたり120gのbaguetteを消費しているそうです。baguetteの大きさが大体350gだとすると、1日あたり半分くらい食べていることになります。たしかに、マダムの家でもそれくらいの量は食べていますね。
購入する場所についても触れておきたいポイント。調べてみたところ、フランスの場合
「パンはブーランジェリーで買うもの」全体の62%の人が毎日ブーランジェリーに通っているとのことがわかりました。
パリの日常に目をやると、昼食を求めてサラリーマンがバゲットサンドを買い求めてきていることが多くて、夕方には、食事用のバゲットを求めて帰宅途中に立ち寄る様子がうかがえます。主食であるのバゲットは、自然とブランジェリー(パン屋)へ毎日の様に通って手に入れる。フランスは、そんな生活スタイル。
馴染みのブーランジェリーがある!
向かうブーランジェリーは大体同じ。雑誌から探して人気店へわざわざ向かうというよりは、顔なじみの店でちょっとした会話を交わしながら “いつものパンちょうだい” とササッっと買うのがフランス流。
パリの場合は、すでに沢山のブーランジェリーが近所にあるから、近くのブーランジェとはいえ、数件の中からお気に入りを選べる環境です。マダムの家の近くにも、いくつかブーランジェリーがあって、私が通い慣れていたのは歩いて3分の一番近いブーランジェでした。
月日が経ち、数年前に経営者が変わったようで、渡仏当時からは看板の名前も内装も変わりました。昔は、Moulin……ムーランなんとかという名前だったはずですが、今は「Marques(マルクス)」という店名。
マダムとの生活では、普段と違うブーランジェリーでパンを買ってきたときには「○○通りにできた新しい店で買ってきたから食べてみて」という風に、食卓の会話にのぼることもありました。
フランス人にとってバゲットは嗜好品ではなく、毎日の食べ物。通いやすい範囲で、お気に入りは“ココ”というのを見つけておきたいもののようです。ブーランジェリーのことは、興味深いことがほかにもたくさんあるので、機会を分けてご紹介したいと思っています。
続き(追記)はコチラ → 【フランスNo.1を決めるBaguetteコンクールとバゲットについての続き】♪