Blogizumiブログ
- 2022/03/15
「ワンハンド料理」
Bonjour !
少し前になりますが、年末から懐かしいお電話が3件も続きました。どれもパリから繋がった嬉しい出来事だったので、順にご紹介をさせて頂いています。
その1 → < パリから繋がったGRANDMAISON LÖWE >
その2 → < ア・ポワン岡田シェフ「日本初オリジナルフェーヴ」は宝物 >
その2 「ア・ポワン」オーナーシェフについては、書きたいテーマが2つあるので2回に分けての投稿することにしました。ここでは、その2つ目の内容です。
「ワンハンド料理」
さて、タイトルにした「ワンハンド料理」は、人気パティスリー「ア・ポワン」のオーナーシェフを務められていた岡田吉之シェフの新しい取り組みです。シェフと私は「オリジナル・フェーヴ」がご縁となってつながりました。※ 前回のブログも良かったらご覧ください
ご縁あって「オリジナル・フェーヴ」のご依頼を頂いたのは「ア・ポワン」15周年記念の全盛期。ご満足して頂けたフェーヴの仕上がりは私にとっても嬉しい出来事でした。
・・・その後、2009年に脳出血で倒れられ、右半身麻痺となった岡田シェフ。私はこの知らせに大きなショックを受けました。
1つ目の投稿後、今回のブログのことで岡田シェフに電話をいれました。その時の会話によると、脳出血になった後の2年半は入院生活、その後はリハビリテーション、そして、数年間は塞ぎ込んでしまっていたそうです。
「キッカケはジャガイモ」
退院して自宅に戻ってからは自炊生活がスタートしました。利き手が使えないから、周りの方の協力を得て、前もってカットし、皮を剥いた野菜を常備しておいて、それらを使って調理をすることにしていたそうです。
こうして生きるための食事を用意する日々。そんな毎日を過ごしていました。だけど、ある日をキッカケにシェフは変わりました。
「心からの感動」
切りたてのジャガイモは角が立っている。シャキッ!
岡田シェフは「新鮮な野菜を使ったお味噌汁を食べて、涙が出るほど感動したんだ」と話してくださいました。「おいしい!」「生きているって、コレだよな!」
生きる喜びと感じられる「何か」が、シェフのココロに響いた瞬間だったのでしょう。
いろんなことが身体に沁み渡った「心からの感動」
「おいしいトキメキ」「生きている野菜の食感」
「おいしいものを食べよう」
「心からの感動」をキッカケにして、前を向いて動き出したシェフ。美味しいものを作るために野菜の下準備からできるようにチャレンジし始めました。そして今では「料理する喜びは生きている証」とのタイトルで料理通信に連載をされています。料理する喜びは生きている証。 元「ア・ポワン」岡田吉之さんのワンハンドクッキング
前を向くことができた岡田シェフ。
この知らせのために私へ電話をくださったのが昨年のことでした。再び繋がることができたことは喜びですし、私にとっても嬉しい知らせでした。
連載を拝読させて頂いて、ご紹介されているキッチン道具が目に留まりました。「コレはなんだろう」「へぇ~、こんな道具があるのか」
「ワンハンドのための道具探し」
取り掛かりは「料理道具探し」から始まったそうです。お電話の会話によれば、この道具探しに大変苦労されたようです。しっくりする道具に辿り着くために3年間もかかったとか。
ということは、連載で紹介されているキッチン道具の情報は貴重な資料といえそうです。
利き手である右手が不自由になったから、今は左手で調理。左手用の包丁で野菜を切り、調理器具を使いながら美味しそうな料理をSNSにじゃんじゃん投稿されています。
シェフの投稿はずいぶん頻度が高いので「あれは、左手でカメラもパソコンも操作されているのですか?」と、聞いてみました。すると
「今は、左手が右手のスピードで動くようになってきているよ」(えぇ~?器用さに驚き!)
シェフが料理で使う食材は、何処でも手に入るもの。身近にあるもので簡単に美味しくできる料理。調理が「手軽で美味しい」というのは有難いですよね!
私の場合は “今夜は何にしようかな” とメニューに困った時にページを覗くことが多いです。お電話の後からは、何気にフォークが左側にある様子だけで左手で食事をされているからだと想像してみたり、美味しそうな写真をみて食べたいな~と思ったりして「いいね!」を押しています。
ご縁あって素晴らしい「ワンハンド料理」の取り組みを教えて頂いたので、多くの方にご紹介できればと思いまして今回のブログを書くに至りました。
前回「オリジナル・フェーヴ」にスポットを当てて、私とのエピソードでブログへご紹介したら、岡田シェフからお礼のメッセージが届きました。Merci !それだけでも嬉しいのに、郵便物が。ん?なんだろ。重いな。
「わぁ~ 皆さん、みてください~!」こんなに分厚い立派な本が!
「ア・ポワン」の事典
レシピと岡田シェフの拘り解説がぎっしり♪
私の場合、お菓子つくりは趣味です。パリの職人学校FERRANDIフェランディ校に通った目的はパティシエになることではなくて、フランスにおける職人学校への興味とパティシエ通訳の時に役立つ経験になるだろうと期待してのこと(私以外は職人を目指す学生)→ 2020/02/05 パリのホームステイと職人学校 izumi Blog 掲載
趣味として、お菓子や料理のレシピを見たり、作ったりするのは大好きです。だからレシピ本も専門書も色々と持っています。だけど、今回の本は大物!プロ向けの大作!手元にお持ちの方も沢山いらっしゃるでしょうか。
♡マカロン愛が溢れてる♡
マカロンで埋め尽くされたカバー写真。表紙から「マカロン愛」が伝わってきます。こちらの写真を撮影したときは、シェフ自らマカロンを並べたそうですよ。
おぉ!中を開くとシェフの素敵なサイン!わ~い♡
OKADA のOが二重丸で素敵♡。
“ コレはきっとマカロンだろう! ” マカロン命のシェフを思い浮かべると、私にはOKADAのOがマカロンに見えてくる♪ そんな勝手な想像をしながら素敵な贈り物を受け取りました。Merci Chef Yoshiyuki OKADA ! 大事にします。
レシピのページは写真のコマ数が多くて細かな解説。お菓子ごとの長文が印象的なページ構成。シェフの想いや解説がビッシリ詰まっていて「読み物」と「事典」がまるで一つになったような一冊です。ぜひ、書店で覗いてみてください♪ フランス地方菓子もたくさん載っているので、ゆっくり楽しませて頂きます♡
そうそう♪ 本の前書きと最後にページには「マカロン型のオリジナル・フェーヴ」も登場していました!オリジナル・フェーヴのエピソードをご存知な皆様に見つけて頂きたいものです。
さて、最後にもう少しシェフから聞かせて頂いた倒れる前の生活や当時の仕事について書かせて頂くと、
シェフは… 仕事が好きすぎて、睡眠2時間の生活を続けてしまっていたそうです。「2時間!? え?」当時のシェフは、それでも楽しかったのだとか。ん… 睡眠2時間というのは、一般的な睡眠時間を平均7時間として計算すると一日の活動時間は17時間。岡田シェフの場合は、平均時間の人に比べると1.3倍(22時間)の時間を何年も過ごしていたということになりそうです。
創作愛に溢れて無理をしてしまっていたシェフ。今は、再び前を向いて新しいことにチャレンジ中!近い将来、TV出演の予定もあるようです。これから楽しみです♪ そんな岡田吉之シェフのSNSは直接ご覧になって頂けるのでリンクしておきますね。→ https://www.instagram.com/2020apochan/?hl=ja
今回のブログはエッセイだったせいか、編集しながら迷走してしまいました。何度も書き直したら色々出てきて他のテーマもできたのでアップすることにしました。良かったら覗いてください。 Merci ♪