Blogizumiブログ
- 2018/11/26
- フランス文化
Bonjour!は、大切な挨拶
Bonjour !
ここではパリ「Les Abeilles」でのエピソードをご紹介させて頂きます。
パリの店主が書いている蓋上の「注意書き」があるのですが見えますか。
”ハチミツの試食は店主に声をかけてください”というメッセージです。ご試食時に使用されたスプーンを誤って他のハチミツ瓶にそのまま入れてしまわないようにお願いしています。
1999年頃に店を訪れたお客様の中には、
「ムスッとしていた店主(シャクマンデス氏)」という印象をお持ちになった方がいらっしゃいました。きっと緊張して、不快な思いをされたのではないかと思います。
正直、当時の店主は愛想があまりなく、旅行者のことを不安感をもって警戒していました。それは、理由があったからです。
何度も通って色々と話すことができる様になれまして、ある日、勇気をだしてシャックに話してみました。
Izumi : ”初めてお店に入ったときは、怖くて話しかけられなかった”
Schak : なぜ?
Izumi : 店内は静かだし、つたないフランス語で挨拶するのも恥ずかしいくらいだったし、怒っているように見えて、怖くて緊張したから。
こんな風に当時のことを伝えたことがありました。すると、
そうだったのかと納得した表情を浮かべて頷きながら話し始めました。そして、”気を悪くしないで欲しいのだけど、分からないことがあるんだ” と相談を受けました。
「実は、観光でお店にやってくる人の試食のことで困っている」なぜなら、「勝手に瓶を開けてハチミツを食べるし、使ったスプーンを違うハチミツ瓶に入れたり、違う蓋で瓶を閉めたりする。こんな風にされるとハチミツが使えなくなってしまうんだよ」という。
”あ~、なるほど。だから、私のことも警戒して見ていたんだ” と無愛想だった理由がわかりました。しつもんは、つづきました。
「なぜ、店に黙って入ってきて、黙って出ていくのか」「黙って入られると気づけないし、見たときには、もう瓶を開けていることがある」「黙って店のものに触って、試食までして何も言わずに出ていく。なぜなのか、ぼくには理解ができない」と話してくれました。
確かに日本は、店に入るだけなら店員さんに「こんにちは」と言わないことが殆どでしょう。レジの人には挨拶はしませんね。だけど、フランスは違います。
だから「なぜ挨拶しないとか」と言われてから、”あ~確かに。。。日本ではしない”
レジの人に挨拶をしないことは日本ではしないから悪気はない行動なのだけども、習慣に違いがあるからこそ、日本では普通のことであってもフランスで同じようにすると「気味が悪い」と感じらてしまう事があると知りました。
私は、シャックが心を開いて質問してくれたおかげで、初めてお店に入ったときに無愛想だった理由がわかってスッキリしました。それに、習慣の違いから誤解が生まれることも知りました。
だけど、こういうことって辞書には書いてないもの。
フランス語が流暢に話せても、フランス語の本を読めても、辞書を引いて訳をすることができても、その国の文化や習慣を知らずにいると、それはただ「訳:言語変換」をしただけであって、「本当の上での理解ではない」ということに気づけました。
フランスは本当によく挨拶をします。
エレベータで一緒になっただけでも「Bonjour !」。会話は、まず挨拶から始まります。フランスの「Bonjour !」は大事な一声。キオスク、パン屋、レジ、エレベーターで一緒になるだけでも挨拶。
このシャックとのエピソードの後からアテンドをさせて頂いたときには、お客様に「Bonjour の挨拶」をお願いする事にしました。「発音が~」と気にされても「日本語でもいいから、とにかく一声挨拶を!」。個人行動の時にも「必ず挨拶をしながら行動して下さい」とね。
店内に入ったら、まずは Bonjour ! 発音は上手くなくてもいい。とにかく「挨拶」の言葉をかけるということ。そして、
ハチミツ試食をしたい時はジェスチャーでもいいから店主にお願いする。帰り際に「ありがとう Merci メルシー」が言えたら完璧。
それが出来て初めて、お店に入る側の最低限のマナーができているということ。
フランスへ行くことがあったら、Les Abeilles に限らず
”お店には「入るだけ」でも、まず「Bonjourボンジュール」と挨拶をしましょう!”
この一言があるだけで違います。挨拶を大事にする習慣はとてもいい。パリでも東京でも同じように大事にしたい「挨拶」 Bonjour !から始める会話。
*互いの習慣の違いを分かったことでシャックとの関係はより友好になり、日本のことも理解してくれたことで、気持ちよく接することができるようになりました。
Bon journee a tous !